ちょっと真面目にチーズについて話したくなるお話です。
スーパーに買いに行ったら「チーズが売ってない!」となったらどうでしょう。
別な店に買いに行こうかな、代わりの生ハムがあるからいいかな程度の反応でしょうか。

今回ご紹介しようと思っている小人達にはチーズとはもっとかけがえのないもののようです。
当然変わらないと思っていたものが変わっていく。そんな「変化への対応」についての童話、チーズはどこへ消えた?についてご紹介したいと思います。

あらすじをご紹介しますと、

登場人物は2匹のネズミ「スニッフ」「スカリー」そして、小人の「ヘム」「ホー」、そしてチーズです。
彼らはチーズの見つかる迷宮に住んでおり、2匹と2人はたまたま同じ大きなチーズの塊を食べて過ごしています。小人達はチーズがあることを見越してチーズの近くに引っ越して来ます。
そんなある日無限に思えたチーズが消えてしまいます。スニッフとスカリーはチーズがなければ次を探すのみ、とすぐに見切りをつけて次のチーズを探しに行きます。

ヘムとホーはネズミより思考が複雑で毎日見ていたチーズに愛着が湧いており、「チーズはどこに消えた!」と考えチーズがいつか戻ってくるかもという思いから諦めが付きません。
ついに苦悩の後にホーはチーズ探しに旅立つことを決めます。ヘムも誘いますが、ヘムは頑なにチーズの跡地を離れません。

仕方なく一人で旅立つホーは前より小さいものですがチーズを外で発見し、ヘムの元に戻りチーズを見せもう一度誘います。「新しいチーズは好きじゃない気がする、慣れていないから」

ヘムと別れたホーは仕方なく一人でチーズ探しを続けますが、実際にチーズを探してみて少しずつチーズが見つかることに気づきます。

チーズを見つけながらホーは格言を残していきます。
「チーズが消えることに備えよ」
「古いチーズに早く見切りをつければそれだけ早く新しいチーズが見つかる」
ホーはついに迷路の角であたり一面に見たことも無いチーズの山を見つけます。

前半2匹と2人の話はここで終わり、この話は終わりにこのチーズ探しの冒険談を聞いていた人たちの議論が入り、「自分たちはスカリーかヘムかホーか」自分のチーズ探しの話を共有して幕を閉じます。

本書のメッセージとしては、「変化を受け入れると新しいなにかが見つかる」だから「自分のしがらみは何か人と話し合おう」ということだと思います。変化への対応を促す小話は少し珍しいのではないかと思いご紹介いたしました。変化が大きい時代になっていますが、こういった小話があることで「チーズは何か?」「自分はヘムのように考えていないか?」などと振り返る事ができるのではないでしょうか。

さて、年始の振り返りの時期には少し遅いですが、自分にとっての「古いチーズ」は何になるのか?私のチーズはなにか?チーズがなくなったことに気づいているか?新しいチーズを探しに行く準備はできているか?チーズについて思いを巡らせてみてはいかがでしょう。

自分がスカリーかと思った場合も、ぜひ自分に気づいていない古いチーズはないか?みることをおすすめします。そしてぜひ近くの方と話してみていただければ幸いです。

読者の方の今までのチーズ、新しいチーズを見つけるきっかけになればと思います。

引用:チーズはどこへ消えた?  スペンサー ジョンソン著
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%81%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%93%E3%81%B8%E6%B6%88%E3%81%88%E3%81%9F-%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3/dp/459403019X