DDP+SDMDiscovery-Driven Planning & Strategic Decision Management
01
仮説指向計画法Discovery-Driven Planning
不確実な事業環境下で大きな失敗を防ぐリスクマネジメントを目的とし、ペンシルバニア大学ウォートンスクールのIan MacMillan教授とコロンビアビジネススクールのRita Gunther McGrath教授によって考案された、計画立案と実行に関する手法です。
アメリカ企業が50百万ドル以上の損失を計上した数々の事例を徹底的に研究した成果に基づき、大きな失敗を防ぎ、成功を達成する方法論として、1995年に発表されました。事業の成功に必要な条件を「仮説」として明確にし、「仮説」は外れるものとして継続的に管理することによって、事業環境や知識の変化に対応して、次の一手を早期に促すことが特徴です。
GE、Merck、Du Pont等の大手企業、及びコンサルティング会社「INNOSIGHT」(ハーバードビジネススクール Clayton M. Christensen教授が設立)等が採用しており、Christensen教授は、2008年のハーバード・ビジネス・レビュー誌に寄稿した論文「財務分析がイノベーションを殺す(Innovation Killers)」の中で、「Discovery-Driven Planningは、成功の確率を大きく改善する可能性がある」と述べています。
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逆損益計算法
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マイルストン計画法
02
戦略意思決定手法Strategic Decision Management
組織における意思決定の質を高めることを目的とし、1960年代に米国スタンフォード大学のRonald A. Howard教授によって考案された、デシジョンアナリシスを基礎理論とする意思決定手法です。戦略意思決定手法では、以下6つの要素が意思決定の質を高める、と定義しており、どれか1つでも欠けると意思決定の質が下がると考えられています。
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明確な
代替案の検討 -
信頼性の高い
評価方法 -
情報の質
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効率の良い
プロセス -
リーダーシップと
ファシリテーション -
明確な
価値判断基準
03
仮説指向計画法の優位性
従来の一点読みの計画や、実績が出てから行う事後管理では、軌道修正のタイミングが遅れてしまいがちな問題があります。例えば、技術進歩や嗜好の多様化等、様々な面で変化が速い現代の経済環境では、新規領域に限らず既存の事業であっても、環境変化への対応に遅れ、一度悪化し始めると、必要以上の損失拡大に繋がるケースも多いでしょう。
仮説指向計画法では、将来の数字を幅で定義し、不確実な事象の学習と、学習に応じた計画の修正を重視しています。また、売上や利益といった計算結果ではなく、計算の元になった数値と設定根拠(仮説)に注目するため、リスク情報の共有や議論が容易になることが、事業の現場で大いに役立ちます。事業の成功に必要な条件を組織的に合意し、組織的な学習と修正のプロセスを構築することによって、大きな失敗を未然に防ぎ、成功を達成する打ち手を速やかに講ずることができるようになります。
04
仮説指向計画法における
インテグラートの優位性
インテグラート代表取締役社長の小川は、仮説指向計画法の立案者であるIan MacMillanの研究センターで2年間直接指導を受け、現在もMacMillan教授、McGrath教授と理論をいかに実践するか、実務に適した形でどこまで単純化できるのか、意見交換を続けています。インテグラートは、優れた経営理論を、企業がどうしたら実務に活用できるかをひたすら追求し続けてきた会社です。
【参考記事】
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- 記事掲載のお知らせ : 『Discovery-Driven Planning(仮説指向計画法)の紹介』
https://www.integratto.co.jp/www/wp-content/themes/integratto/pdf/publication/2012_01_01.pdf
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- 記事掲載のお知らせ : 『DDPのデジタルツール 「DeRISK」の活用でDDPの知が組織全体に広がる』(ダイヤモンド クォータリー誌)
https://www.integratto.co.jp/news/20200807_01/
【参考文献】
- “Discovery-Driven Planning” Harvard Business Review, July-August 1995
- 日本語版「未知の分野を制覇する仮説のマネジメント―ユーロ・ディズニーの失敗、花王の成功に学ぶ―」ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー1995年10月
- “Discovery-Driven Growth” Harvard Business Press, 2009
- 「アントレプレナーの戦略思考技術―不確実性をビジネスチャンスに変える」ダイヤモンド社2002年1月
- 「不確実性分析実践講座」2016年、福澤英弘・小川康
- 「選択と集中の意思決定」2000年、籠屋邦夫
- 「意思決定の理論と技法」1997年、籠屋邦夫
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インテグラートでは仮説指向計画法及び戦略意思決定手法の普及とそれら実践手法、関連するソフトウェア及び
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