今回のコラムでは、インテグラートのコンサルタントが日々考えていることをコラムとしてお届けしたいと思います。

インテグラートがご提供する事業性評価コンサルティングや研修プログラムでは、多くの場合、ハイリスク投資の実例を取り上げて、お客様と共同で一連の評価・分析プロセスを実践します。

実践の際に特に重視するのは、曖昧になっていたり、時にはブラックボックスになっていたりするリスクとリターンを、次第に視覚化・共有化していくことです。この「見える化」が実現されてくると、「なるほど!」「いや、この計画では楽観過ぎて役員を説得できないな」「この事業が儲かるように見えているのは、ここが原因だったのか」など、様々な反応が起こります。そして、「条件を変更してみよう」「別のシナリオを分析しよう」という次のアクションが始まります。バリュエーションからシミュレーションへと分析作業が進み、リスクとリターンが一段と「見える化」されてくると、メンバーに共通の理解が形成されてきます。

この「見える化」は、インテグラート・インサイトVol.1のコラムでご紹介した意思決定の品質を高める2つの側面の一つ、「決定が組織のメンバーでより納得され、より支持されていること」を促進します。確信を持って意思決定するために、分析結果の信頼性を高めているのです。

インテグラートが開発・販売しているソフトウエアが搭載しているデシジョンツリーやリスク分析、What-If分析等の各種分析機能は、リスクとリターンを「見える化」することによって意思決定者へ伝達し、合意達成を支援するコミュニケーションツールと位置づけることができると思います。

インテグラートのコンサルタントは、このリスクとリターンの「見える化」を推進するソフトウエアやテクニックを一社でも多くの企業、一人でも多くのビジネスパーソンに活用していただきたいと願いつつ、日々の業務に邁進しています。

(小川 康)