りんごかもしれない。
そんな絵本(*1)をご存知でしょうか。

筆者はその本の表紙を見つけたときその本を思わず手に取り、そのままレジへ向かいました。
完璧な一目惚れでした。本を開くとこんな感じです。

ある日僕が家に帰ると、テーブルの上にリンゴがあった。
「でも、もしかしたら、りんごじゃないかもしれない」
後ろ側は実は別の果物かもしれない。
このりんごには兄弟がいるのかもしれない。
いくら剥いても皮だけかもしれない。
もしかすると。。。。
とここから、男の子の空想の物語が始まります。

負けました。
私は創造力には自信があったのですが、この絵本の作者ヨシタケシンスケさんには完敗です。

どうしたらこんなにたくさんの可能性を考えることができるのでしょうか?

創造力についてちょっと調べると、IBMの行ったリーダーに求められるスキルに関する調査結果では、多くのCEOが、リーダーにとって今後5年間で最も重要となる資質は(グローバル思考や影響力などを上回り)創造性であると認識しているようです。*2

さて、この文章を読んでいるあなたに今日の頭の体操です。
問題1:5G通信が始まったら(通信速度が10倍になったら)流行るソフト・ビジネス。
問題2:昨日空にしたビール瓶、活用方法をありったけ考えてください。
それぞれ3分程度で、20個以上考えてみましょう。

特に答えも無いので、答え合わせはしませんが、、、、

早く、多く、多様なアイディアを出すにはどうしたら良いのでしょう?
せっかくなので、創造性アップのためにどういったことが役に立つと言われているのか調べてみました。 *3

その一部を紹介させていただきます。

・いつもと違うことをする。数日間電子デバイス無しで自然の中に入る等。

・多様な人のフィードバックをもらう: 違うバックグラウンドの人と話すだけでなく、異業種の知り合いからも意見を求める努力をする。

 ・自分の時間をつくる。一人で歩き回ることなど。また、今回私が調べた中ではホットトピックだったのがマインドフルネス瞑想です。*4

 ・制約条件を活用する。自由に考えるとはいえ、逆に難易度の高いゴールを決めて解決する方法を考えるというのもあるそうです。
(例、環境負荷を半分にしつつ、売上は倍を目指す。ナイキのChief Sustainability Officerの話 *3)

今日は携帯電話の電源を切って、今日の帰りに一駅だけ乗り過ごして歩いていつもと違う道で帰るなんていかがでしょうか?

その際のネタを提供させていただきます。
問題3:カバンに入っている先程飲みほしたばかりの空の500mlペットボトル、1000円以上で売りたい場合、どのようにすればよいでしょうか? 

何通り考えられましたか?

はじめに紹介した絵本は面白い本なので読んでいただきたいのはもちろん、なにか新しい方法で問題を解決する際の、ウォーミングアップに思い出していただければ幸いです。

また、アイディアが出る秘訣、ご存じの方いらっしゃいましたらメールで教えていただければ幸いです。

渡邉 修)

引用文献
*1 ヨシタケシンスケ (2013) りんごかもしれない ブロンズ新社
*2 IBM Institute for Business Value (2010) “Capitalizing on Complexity” 24
*3 Emma Seppälä (2016) “How senior executives find time to be creative” Harvard Business Review

ご参考
*4 ちなみに、マインドフルネス瞑想は過去に弊社コラムがありますのでお時間ありましたら以下も御覧ください。
https://www.integratto.co.jp/column/146/