~インテグラート・インサイトコラム過去全文分析をネタに~

 一時ほどのブームではなくなってきたChatGPTを始めとする大規模言語モデルですが、皆さんはどのようにご利用されておられるでしょうか?

 最近GoogleからリリースされたNotebook LMについてご存知の方はどの程度いるでしょうか?NotebookLM は自分が作成したいプロジェクトのための参照資料をアップロードすると、読み上げやブリーフィングシートの作成、FAQ、アイデアの整理などが可能になります。

 本コラムは筆者が現在最も実用的だと感じているこのLLM系アプリNotebook LMの活用法をご紹介しつつ、その中で弊社インテグラーㇳコラムを分析し、一挙ご紹介してしまおうという一石二鳥のコラムになっております。

■利用法のご紹介

 主なステップを先に紹介しておきます。
  1.取り入れたいデータの準備
  2.データのアップロード
  3.対話しながらほしいデータを取り出す。

 1.取り入れたいデータの準備

  ●まずは、データを一つにファイルにするためにGoogle Spreadsheetを使いました。Google Spreadsheetにはウェブサイトから特定の部分の文章を引用してセルに入力してくれる関数があります。以下コマンドを入力するとコラムの第一回目の文書を取得することができます。

   =IMPORTXML(https://www.integratto.co.jp/column/001/,/html/body)
   (2つ目、3つ目のコラムの取得はセルには001の部分を順に002、003とすると取得できます。)

  ●次にデータをきれいにします。取得したデータはイントロと文末に他ページへのリンクがあるので、適当なキーワードで文章を切断し、本文のみ残しました。

  ●Notebook LMはどうもエクセルファイルは読み込めないようなので、PDFにします。(おおよそ2000字x200タイトルなので40万文字ほどの長編PDFが出来上がりました。)
   分析を日頃行っている方はピンときているのではと思いますが、データ収集、不要な文字列の削除、検討などなど、この作業に一番手間がかかります。

 2.データのアップロード

  ●出来上がったPDFを読み込ませます。
   **まだGoogleのテスト機能ですのでくれぐれも機密データをアップロードされませんようお願いいたします。**
   https://notebooklm.google.com/

 3.対話しながらほしいデータを取り出す。
  ●まず取り込んだ時点でおおよその概要から想定される質問を自動で提示してくれます。


Figure 1 “操作画面” NotebookLMの想定した質問(最下部)と想定質問への回答

■どのようなアウトプットを見ることができるのか?

 準備に多少時間がかかると思いますが、NotebookLMの便利な使い方の一つはこちらです。サラッと読むには多少分量のあるデータをまとめてくれる機能です。
 全インサイトを通じてインテグラーㇳが主張してきたことはどういったことか聞いてみました。すると以下のようにまとめてくれました。

■インサイトの歴史のご紹介(分析結果)

 Integratto Insightの論文集は、ビジネスシミュレーションソフトウェアとコンサルティングを専門とする日本企業Integrattoが発行する出版物であり、短編論文の集積です。これらの論文はさまざまなトピックを扱っていますが、全体として、特に不確実性に対処する際の健全なビジネス意思決定のために、構造化されたデータ駆動型アプローチの重要性を示しています。

 以下は、個々の論文間の関連性を引き出しながら、重要な要約です:

  ●直感を超えた構造化された意思決定へ: ソースは、意思決定において明確で構造化されたアプローチが必要であることを繰り返し強調し、直感や勘を超えることを推奨しています。 この構造化された方法論への強調は、Integratto自身のビジネスモデルにも見られ、同社は “Discovery-Driven Planning” (DDP) や “Strategic Decision Management” (SDM) のようなフレームワークに基づいてソフトウェアツールとコンサルティングサービスを開発しています。

  ●定量的分析とモデリングの採用: 多くのソースは、情報に基づいた意思決定における定量的分析、モデリング、およびシミュレーションの価値を強調しています。 このテーマは、企業がさまざまなシナリオをモデル化し、意思決定の潜在的な結果を評価できるようにするソフトウェアソリューションを提供するIntegrattoのコアビジネスと一致しています。

  ●”Discovery-Driven Planning” (DDP) の力: いくつかのソースは特にDDPフレームワークを支持し、その反復的な計画アプローチを提唱しています。 この方法は、企業が野心的な目標を設定し、それを検証可能な仮説(財務変数と戦略的仮定の両方を含む)に分解し、継続的な学習とフィードバックに基づいて計画を適応することを奨励します。

  ●長期目標との意思決定のアライメント: ソースは、短期的な意思決定を長期的な戦略的目標と合わせる重要性を強調しています。 これらのソースは、即時の利益に過度に焦点を当てることを警告し、企業は市場シェア、顧客ロイヤルティ、イノベーションなどの要因に対する意思決定の長期的な影響を考慮することを奨励しています。

  ●日本のビジネス文化における課題の克服: 日本のビジネス文化の特定の文脈を認識し、ソースはリスク回避、権威に挑戦することに対する抵抗、およびオープンな議論よりも調和を優先する傾向などの課題に取り組んでいます。 これらの文化的規範には利点があるものの、異議を唱えたり、代替的な視点を探求することを妨げることで、効果的な意思決定を妨げる可能性もあると彼らは示唆しています。

 要するに、Integratto Insightの論文は、組織内のマインドセットと実践のシフトを推進し、よりデータ駆動的、透明性があり、反復的な意思決定アプローチを提唱しています。 これらのソースは、まとめて、Integratto自身の製品とサービスの価値に関する説得力のある議論として機能し、同社を戦略的ビジネスプランニングの分野における思想リーダーおよびソリューションプロバイダーとして位置付けています。

 すべてのコラムに目を通された方は少ないのではないかと推測しますが、ご興味のあるトピックでしたでしょうか?

 ちなみに私の手元では以下のような画面が見えており、例えば、「直感を超えた構造化された意思決定」に関する情報は誰がかいていたのかな?と強く関連している1〜7の引用箇所を示すことができ、なぜそう言っているのか、については確認でき信頼度の高い引用を行うことができます。


Figure 2 “回答とその引用表示” 文中に見られる①~⑳のリンクにはそれぞれ根拠データ(右部ポップアップ)へのリンクが貼られています。

 広く公開されているモデルは質問内容に答えを寄せてきてしまうなど使い方にコツが必要な場面がありますが、今回のこの試行を通じて、Notebook LMは他のAIモデルよりも少し効果的な使い方ができるのではないか?と感じた次第です。